映画「海賊とよばれた男」
百田尚樹さんの「海賊と呼ばれた男」の小説をだいぶん前に読んだ。
分厚いし上下巻あるので、かなりの分量だ。
でも面白いのでスラスラと読めた。
そこで、最近始まった映画版も観に行った。
ちなみに、海賊の話ではなくて、戦後の石油業界を切り開いて行ったビジネスマンの話である。
ドラマ「不毛地帯」と同じ様な面白さがある。
映画は2時間半ほどの長さなんだけど、全然飽きなかった。
以下、ネタバレなしで感想をあげていく。
面白かったところ
ストーリーは小説と同じだけど、原作が長いので映画ではかなりはしょっている。
でもがんばってポイントは詰め込んでいるな、という印象。
うまくまとまっていた。
一難さってまた一難の繰り返しで、ハラハラドキドキする。
主人公が日本の発展ために、石油を確保しようとする姿は感動的。
主人公の岡田くんの特殊メイクがすごい。
岡田くんは30台後半だけど、いきなり60歳の役で出てくる。
しわやシミがリアルで、知らなかったら本当に60歳に見える。
さらに90歳になるシーンもあって、違和感ないのでメイクってすごいな〜と感心。
もちろん岡田くんの演技力もすごい。
吉岡秀隆さん演じる東雲忠司キャラが面白い。
シノさんと呼ばれる国岡商店の主要な店員の1人。
吉岡秀隆さんは、頼りない男をやらせたらピカイチ!
北の国から、3丁目の夕日、この映画と、
愛すべき頼りないキャラが冴え渡っていた。
国岡商店の店員さん(社員)が生き生きしてていい。
働くって楽しいことだったんだな、と思わせてくれる。
映画には出てこなかったけど、小説では、国岡商店は社員を信用していて「タイムシートがない会社」というのが特徴だった。
社員はタイムシートという概念さえ不要で、全員会社のためによく働くのだ。
店主(社長)も社員を家族のように思っていて、戦争から戻っきて怪我をして働けない間も給料をずっと支払う。
素晴らしい関係だなと感じたが、時代変われば「タイムシートなしで働かせるなんてブラック企業」と非難されていることを知った。
社長に愛があるからこその国岡商店システムで、もっとドライな現代では成り立たないのかもしれない。
もっと観たかったところ
綾瀬はるかさん演じるユキは、主人公の奥さん。
小説では結構たくさん出てきたのだけど、映画では出番が少なかった。
すごく切ない役どころなので、もっと観たかった。
まとめ
小説を読んでストーリーを知っていても、十分楽しめた。
眠くなる暇も全然ないので、オススメできる映画だ。
一緒に行った人は、小説も読んでないしあまりこの作品に興味がなかったけど、面白かったと言っていた。
私はこの小説を読んでから、出光の看板を見ると「日本のためにありがとう」と思ってまう。
出光興産がモデルとなった話だから。
映画を観た後、小説を読んだらかな〜りストーリーが補完されて面白いはず。
なんせ分厚いのが2冊もあるから。